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戦後に発覚した人体実験”タスキギー事件” 大学で履修している倫理学の授業を参考にしてわかりやすく説明してみた。

人体実験は戦争時の悪い軍人が人を物のように扱っていたという昔のお話だと思っていた。

しかし、意外にも1972年にアメリカが政府絡みで人体実験を行っていたという事実が発覚した事件がある。

それが”タスキギー事件”

 

タスキギー事件とは・・・アラバマ州メイコン群の黒人を被験者として彼らの同意無しに梅毒に感染させて経過観察をするという実験であった。1972年に発覚しただけであって実際に実験が始まったのはそれよりも30年も前からであった。

 

この研究はもちろん非倫理的であるとして批判を多く浴びた。

梅毒にはペニシリンが有効であるということは既に判明していたにも関わらず実験をつづけていたのである。

 

この事件が発覚した25年後、当時の米大統領ビル・クリントンはタスキギー事件の実験を人種差別であり非人道的行為であったとして謝罪をした。

 

人体実験に関する簡単な歴史

 

1947年 

第二次世界大戦後に戦勝国が人体実験を行ったドイツ軍を”ニューンベルク裁判”(日本でいう極東軍事裁判)で非人道的であるとして処罰。

”ニューンベルク•コード”という法典のようなものも発布された。『被験者の自発的同意は必ず必要である』つまり、インフォームド•コンセントが明言された。

 

1964年

世界医師会”ヘルシンキ宣言”採択

ヘルシンキ宣言とは人に対する医師に対する指針を示す倫理原則。

 

1972年

”タスキギー事件”が内部告発により発覚。

 

1973年

アメリカ病院協会『患者の権利章典』採択

 

1974年

『国家研究規制法』___『機関内審査委員会』設置義務

 

日本軍も行っていた人体実験

人体実験といえばナチス、ドイツ軍なイメージがありますが日本もがっつりやっている。”731部隊”を聞いたことがないだろうか。中国人を対象に被験者を『丸太』と呼び第二次世界大戦中に人体実験を行っていた。

人はどれほど血を抜かれたら死ぬのか。人はどれほどの低圧に耐えられるのだろうか。人が凍傷になるとどういう過程で死ぬのか。。。

 

この実験をした医療軍人はドイツで行われたニューンベルク裁判のようには裁かれていないのだ。戦争が終わった後、普通に大学病院へ帰り教授などを勤めていたようだ。

裁かれなかった人間がその後も事件を起こした。それが薬害エイズ事件。

これを起こしてしまった会社を設立した人物が元731部隊所属の人間だったそうだ。

 

 

 

 人間ってどこまでも残酷になれるんでしょうかね。。。

アイヒマンが大量虐殺の一役を担ったように誰にでもそんなことができると思うと人って恐ろしいなあ。

 

 

多分ないと思うけど、授業内容に教授の何かしらの権利があったらすぐに消しますのでご報告お願いします。